こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
みなさん、ブラックトライアングルという言葉を聞いたことがあますか?
今回は矯正治療を受けられた患者さんがよく心配される、ブラックトライアングルについて解説します。
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間に出来る三角形の隙間のことで、上下の前歯の歯と歯ぐきの間に三角形の黒い影のように見える隙間を指します。
このブラックトライアングルの多くは、成人矯正の患者さんに見られる現象で、歯がきれいに並んだのに歯の根元に隙間が出てきてしまうというものです。
ブラックトライアングルは、「歯のもともとの形」、「初診時の歯茎の腫れ具合」、「歯を支えている骨の量」によって、その表れやすさが変わります。
人間の歯は、もともと真四角ではなく、根元がくびれており、三角形のような形をしております。
よって三角形を綺麗に整列させると、自然と歯の上の部分(三角形の底辺)は、くっつきますが歯茎寄りのくびれている部分(三角形の頂点)に隙間として見えることがあります。
人により歯の形は異なるので、この三角形の度合いが少なく歯の形態が四角形に近い場合、歯の上の部分も歯の下の歯茎寄りの部分も隣の歯と接近し易くなるため、ブラックトライアングルは出来にくくなります。
また、もともと歯ぐきが腫れているという場合は、もともとブラックトライアングルの部分に腫れた歯茎が入っており、矯正治療後に歯磨きがしやすくなることによって歯ぐきが引き締まることにより本来あったブラックトライアングルが表れてくる可能性もあります。
また、矯正治療をしていない方でも、もともとブラックトライアングルが出来ている方も多くいらっしゃいますので、ブラックトライアングル自体は特別悪いものではありません。
しかし見た目の問題で歯列矯正を受けた場合は気になってしまうのも理解できます。
このブラックトライアングルを放っておいても健康上問題があるわけではありませんが、どうしても気になる場合は歯と歯の間を削って(IPRについての過去ブログ)、歯の形を三角形からなるべく四角形に近づけることにより隙間を減らすこともできます。
矯正治療は、歯や噛み合わせの状態だけを診るのではなく、歯茎の状態なども把握した上で総合的に診断し治療することが求められます。