こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
治療例のご紹介です。
女子中学生で、主訴は「上顎の犬歯が生えてこない」とのことでまず1期治療(小児矯正)を行いました。
初診時において、上のレントゲン画像の黄色い星★で示した上顎の犬歯が生えておらず、両側ともに著しく傾斜している状況でした。
そのままですと付近の永久歯を傷つけてしまう恐れがあるため、開窓牽引術を行い、上顎両側犬歯をまずは引っ張り出すこととしました。
また、レントゲン画像の赤い星★で示した部分に永久歯がないため、(E)という乳歯がそのまま残ってしまっています。
乳歯の中でもEは一番大きく、歯の根っこもしっかりしているので、そのままにしておくという考え方もあるとは思います。しかし、しっかりしていると言えども、20〜30歳で自然と抜けてしまうことがほとんどです。そうなってしまうと、1cmほどの隙間が2箇所もあいてしまい、インプラントやブリッジ、部分入れ歯などの処置が必須になってきます。
インプラントもブリッジも部分入れ歯も、自分の歯ではないため一生物ではありません。全ての歯が自分の天然の歯であることに越したことはありません。
そこで、この方は成人矯正(2期治療)を行うこととしました。
乳歯を抜歯して、その隙間を矯正治療で閉鎖する方針となりました。上顎については、口元の突出感を改善する目的で第一小臼歯を左右抜歯する方針としました。
主訴:犬歯が生えてこない
診断名:上顎両側犬歯埋伏、下顎両側第二小臼歯先天性欠損
年齢:11歳
治療に用いた主な装置:リンガルアーチ、マルチブラケット装置
抜歯部位:上顎両側第一小臼歯、下顎両側E
期間:24ヶ月
費用:総額¥930,000(税込¥1,023,000)
リスク、副作用:歯磨きがわるい場合には、虫歯や歯肉炎が進行することがあります。 矯正治療中顎の関節に音がする、痛くなる、口が開きにくくなる、といったような症状が出ることがあります。 体質により金属アレルギーを引き起こす事があります。治療後、知覚過敏や痛みなどが出たり、吸収された骨が再生しなくなることがあります。歯肉が退縮して歯が長く見えたり、歯と歯の隙間が広くなったりすることがあります。
上顎の犬歯がしっかりと生えただけではなく、下顎の乳歯のスペースが閉鎖され、将来的にも歯が抜けてしまう心配をすることなく過ごしていただけるようになりました。
このような治療方針が取れるのは、おおむね10代までです。
歯がなかなか生えてこない場合には、永久歯が欠損していることや、埋まってしまっていることも多く、放置すると、治療の選択肢が狭まることもあります。
気づいた時点で、まずは矯正の専門医院にご相談することをお勧めします。