こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
今回は、矯正治療を途中でやめることができるのか、ということについて解説したいと思います。
矯正治療は、むし歯の治療などのように数回で終わる治療ではなく、機能的で美しい噛み合わせを構築するために2年前後お時間をいただきます。
さらに、歯が実際に動いている動的治療期間と、歯が綺麗に並んだ後、戻ることのないようリテーナーなどで維持する保定装置期間があり、それらを合わせると4年前後の治療期間となります。
その治療の途中で、矯正治療をやめられるかというご質問を稀に受けることがありますので、今日はその点について解説したいと思います。
結論から言いますと、途中でやめることはできれば避けた方が良いです。
まず、途中で治療をやめることに関して、本人の意思とそうでない場合があります。
後者の場合は、転勤などの引っ越しによるものが多く、実際は治療をやめたいというより、「やめなくてはならない」という勘違いだったりします。
矯正治療は引っ越し先でも続けることが出来るので、引っ越し先の矯正医を紹介する形で治療を続けることが出来ます。
費用についても、治療の進捗状況により返金を行い、次の医院での治療費に充てていただくようにしています。
問題は、本人の意思で治療をやめたいという場合です。
もうつらい、めんどくさい、すでに満足した、など理由は様々かと思います。
本人の意思なので、治療を続けることを強制することはできませんが、矯正医の立場から申し上げると可能な限り最後まで治療を続けた方が良いです。
そこで、治療途中でやめてしまう場合のリスク、ポイントをお示ししたいと思います。
費用に関して
治療途中でやめる場合、費用の返金があるかについてですが、
基本的には歯科医院によって違いますので、治療をしてもらっている歯科医院にまずは確認しましょう。
当院では、日本矯正歯科学会のガイドラインに則り、その時点での治療の進捗状況により費用を一部返金させていただきますが、
クリニックによっては費用が全く戻ってこないケースもあります。
後戻りするリスク
治療を途中でやめると、それまでに治った分が維持されるかというとそうではありません。
治療途中の場合、噛み合わせの安定性が低いため、後戻りのリスクが非常に高いと考えられます。
さらに、抜歯をして矯正している場合、もし抜歯によってできたスペースが残っている状況ですと、そこに前後の歯が倒れ込み、治療開始前よりも噛み合わせが悪くなってしまうこともあります。
治療再開は可能か
何らかの事情で治療を中断したが、ある程度の期間を経たのちにやはりまた再開したい、という場合もあるかと思います。
中断していた期間にもよりますが、途中から同じように再開できるかというとそうはいかないことがあります。
まず第一に上に書いた後戻りが起きていると、再度検査、診断を行い、そこから新しく治療計画を立てる必要があります。
さらに、その後戻りで悪くなってしまった部分を立て直すところから始めなくてはならない場合もあります。
まとめ
生活環境の変化など、本人の意思とは関係なく治療を断念せざるを得ないこともあると思います。
できる限り治療を最後まで続けることが大切ですが、まず担当の先生に状況をしっかりとお伝えし、相談してみましょう。
一時的に矯正を中断し、リテーナーでその状態を維持しておき、治療が再開できるようになるまで待つという選択肢もあるかもしれません。
何かあればすぐに担当の先生やスタッフに相談することが大切なのですが、そもそも我々歯科医院サイドも患者様が相談しやすいような医院の環境・雰囲気づくりを心がけて参りたいと思います。