こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
みなさん、舌側矯正という言葉はご存知でしょうか?
ワイヤー矯正の種類の一つなのですが、一般的なワイヤー矯正は歯の外側にブラケットと呼ばれる粒のような装置をつけてそこにワイヤーを通して治療します。専門用語では歯の外側を「ラビアル」と言いますので、通常のワイヤー矯正をラビアルと呼んだりもします。
一方で、舌側矯正は、ブラケットを舌のある側、つまり歯の内側につけます。専門用語では歯の内側を「リンガル」と言いますので、舌側矯正をリンガルと呼んだりもします。
つまり、通常のワイヤー矯正と大きく違うのは、ブラケットを歯の外側につけるか内側につけるかということです。
では、装置を歯の内側につけることによるメリットとデメリットは何でしょうか?
舌側矯正のメリット
装置が見えない位置につくため、審美性が高いということが最大のメリットかと思います。
特に、上の歯は話したり笑ったりするときに見えやすいため、舌側に装置をつけることの効果は高いです。一方で、下の歯はそもそもあまり見えないため、上を舌側に、下を表側につける治療もあります。これを「ハーフリンガル」と呼びます。
それに対し、上下とも舌側につける治療を「フルリンガル」と呼びます。
舌側矯正のデメリット
メリットは審美性が高い点でしたが、それに対しデメリットはたくさんあります。
①費用が高額になります。これは、舌側矯正に使用するブラケットが1粒1粒カスタムメイドなため、材料費が高額になるためです。表側の矯正治療に対して、ハーフリンガルで30万円程度、フルリンガルで60万円程度高額になるケースが多いと思われます。
②歯磨きが非常に難しくなります。そもそも装置が表からは見えない位置につきますので、食べ物が挟まっても取りづらいですし、磨き残しも出やすくなりますので、口の中の衛生状態を良好に保つために一層の努力が必要となります。また、舌に傷がつきやすいです。
③治療期間が長期化する傾向にあります。これは、術者の技量によるところも大きいですが、一般的に表側のワイヤー矯正と比較しますと治療期間が長くなります。かなり専門的な内容になりますので、細か部分は割愛しますが、表側と比較し舌側はワイヤーの長さが短くなることに要因があります。ワイヤーが長い方がワイヤーの弾性を効果的に利用できるためです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
舌側矯正のメリットは審美性が高いということですが、現在ではマウスピース矯正がそれに取って代わろうとしています。
マウスピース矯正では難易度が高く、でも見えない装置で治療したい!!
そういった場合に舌側矯正を選ぶ価値があると思います。