こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
今回は、お子さんによくある歯の打撲、外傷について情報をお伝えします。
元気に飛び回って遊んでいるお子さん。ほのぼのしい光景ですが、転んで顔面を怪我することもしばしばかと思います。
その際に歯を強く打ってしまうことで、歯がぐらぐらになったり、歯の色が変わってくることもあります。
そういった時にどのような対処をするべきかを把握し、慌てずに対処が出来るよう解説したいと思います。
歯がぐらぐらしてきた、歯が少し欠けた
基本的には程度が軽度であれば自然に治る場合が多いです。
歯の揺れ度合いによっては固定が必要となるケースもありますので速やかに歯科医院を受診しましょう。
その上で、ぐらぐらしている歯に強い力がかからないように、暫くはぶつけた歯で咬まない様にしたりなるべく軟らかい食べ物を食べるようにしましょう。
また欠けてしまった部分を直してもらいましょう。そのままにしていると、尖っていて危ないばかりか、さらにそこから欠けてしまうこともあります。
歯の色が黒ずんできた
歯の神経が痛んでしまったケースです。
歯の根元部分が腫れてきたり、膿が出てきたりした場合もあるので歯科医院を受診しましょう。
歯の神経がダメになっている場合、ほとんど見た目以外に自覚症状がないため発見が遅れがちです。
少しでも何か変だと感じたら歯科医院へ行くようにしてください。
神経の処置(歯の根っこの治療)をしてもらい、黒く変色した歯はホワイトニングで色を改善することができます。
歯がかなり動く、歯が歯茎の中に入る、あるいは出てくる
明らかに大きく動いて抜けてしまいそう、あるいは歯茎に深く入ってしまっている、もしくは飛び出てしまっている場合は速やかに歯科医院を受診しましょう。
受傷した歯の位置を元に戻して、周りの安定している歯と固定してもらう必要があります。
歯が元どおりの位置に安定するまで数ヶ月かかります。
その間、ぶつけてしまった歯に強い力がかからないように注意して過ごしましょう。
歯が大きく欠けた
これも早めの受診をお勧めします。
大きく欠けてしまうと、歯の中の神経が露出してしまうことがあります。
その場合、神経の治療を受ける必要があります。
歯が抜けてしまった
歯が抜けてしまった場合は抜けてしまった歯を傷つけないようにしながら歯科医院へ持参してください。
抜けた歯を乾燥させないようにしましょう。
抜けた歯を水道水では、洗わないようにしてください。
歯科医院に行くまでに乾燥させない方法として牛乳に浸けておくか、自分のお口にいれて唾液に浸しておきましょう(歯を飲み込まない様に注意が必要です)。
受傷後(数年後)歯が骨とくっついてしまった
これは患者さんは気づかないことがほとんどです。
どのタイミングで気付くかというと、矯正治療開始時に気付くことになります。
矯正治療では、過去に歯や顔面の怪我をしていないか必ず確認します。
歯が骨とくっついてしまっていないかを知るためです。くっついてしまっていることを「骨性癒着」や「アンキローシス」と言います。
怪我をすると必ずアンキローシスを起こすというわけではありませんが、アンキローシスを起こしている歯は動かないため、矯正治療上問題となりますので注意が必要です。
歯の周りには歯根膜と呼ばれる膜があり、歯根膜が存在することで歯は動くことができます。
アンキローシスしている歯は歯根膜の一部分を失ってしまい、歯が骨と直接くっついてしまって動かなくなってしまうのです。
その場合矯正治療ができなくなってしまうので、亜脱臼といって歯を骨から剥がす外科的な処置が必要になります。また、亜脱臼してもアンキローシスが治らないことがあり、その場合矯正治療の計画自体を変更せざるを得ません。
どのような状況であれ、怪我をした後何かおかしなことがあれば速やかに歯科医院を受診しておいたほうが安心だと思います。
放っておいて、後々取り返しのつかない事態にならないようにしたいものです。
歯が抜けてしまう、あるいはぐらぐらのままにしてしまうことで不正咬合の原因となってしまうこともあります。
落ち着いて、まずはかかりつけの歯科医院に電話で相談してみましょう。