こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
みなさん、「矯正治療」というと歯並び全体を治療することを想像するかと思います。もちろんそういった治療がメインになります。
一方で、矯正治療の一環で、一部の歯のみを動かす治療も行います。
これを「MTM:Minor Tooth Movement」や「LOT:Limited Orthodontic Treatment」と呼びます。どちらも同じ治療を指しますので、こちらではMTMと呼ぶことにします。
▽関連ブログ→部分矯正ってなに??部分矯正を適用できるケースについて解説します!
さて、このMTMですが、どんな場合に行うのでしょうか?様々なパターンがあるのですが、代表的なものとしては
①前歯のちょっとしたガタつきを治す
②ブリッジをするために、倒れてしまっている歯を起こす
③インプラントをするためにスペースを開ける
④歯茎の下で折れてしまった歯を歯茎の外まで引っ張り出す
上記のようなパターンが一般的です。
①〜③まではなんとなくイメージがつくかと思いますが、今回は④の「歯茎の下で折れてしまった歯を歯茎の外まで引っ張り出す」について解説したいと思います。
まずは下の写真をご覧ください。
もともと右上の前歯には差し歯が入っていたのですが、根元から折れてしまっています。
原因は虫歯です。差し歯を支える自身の歯が虫歯になってしまったために、差し歯が折れてしまったのです。
そして、残された歯は歯茎の内部にしかない状態で、この場合再度差し歯を作成することが困難なため抜歯になることが多いのが現状です。
特に、矯正の知識を持たない一般歯科の先生は抜歯してしまうことが多いように感じます。
しかし、MTMを行うことで、残された自身の歯を歯茎の中から少しづつ引っ張り出すことにより、もう一度差し歯が作れるようになる可能性があります。
実際に引っ張り出している写真がこちら↓
折れてしまった歯の左右の歯を土台にして、少しづつ(数ヶ月)引っ張り出していきます。
その際、折れてしまった部分にはダミーの歯を貼り付けておき、審美的になるべく影響が出ないように行なっています。
MTMを行うことにより、本来抜歯適用だった歯を救えるかもしれないのです。
こういった情報は、患者様だけでなく一般歯科の先生方にもぜひ知っておいていただきたいと思います。
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