こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
早速ですが、正しい舌の使い方(話し方、嚥下の仕方)ができていない場合、歯並びに対してどういった影響があるでしょうか?
過去のブログでも一部紹介していますのでよろしければそちらもご覧ください。(過去のブログはこちらをクリック)
まず最初に「バクシネーターメカニズム」について説明します。下の図をご覧ください。
歯並びは、外側に頬や唇、内側に舌が存在し、それらが互いに押し合い力の均衡が取れた位置に歯が自然に並ぶと言われています。
これを「バクシネーターメカニズム」と言います。
正しい舌の使い方(話し方、嚥下の仕方)ができていない場合は、この力のバランスが乱れてしまうため歯並びに影響が出るというわけです。
それでは実際に舌による悪影響を受けた歯並びを見てみましょう。
1.空隙歯列
常に舌を前歯に接触させてしまっていたり、嚥下時に舌で前歯を押してしまう癖があると、このように前歯の間に隙間ができてしまいます。
いわゆる「すきっ歯」よ呼ばれる状態です。
審美的に良くないだけではなく、歯と歯の間に食べ物が挟まったり、歯磨きがしづらいなどの不都合が生じます。
一方で、矯正治療自体の難易度はそれほど高くないと言えます。
2.前歯部開咬
嚥下の際に舌を突出させてしまい、上下の前歯の間に舌が入り込むように動かしてしまっていると、この写真のような前歯部開咬になります。
奥歯をカチンと噛み合わせた状態でも上と下の前歯がかぶさらず、口の奥が見える状態です。
前歯が垂直的にかぶさっていないと、前歯で食べ物を噛み切ることができません。
また発音、特に「サ行」の発音がうまくできません。
矯正治療の難易度は高いと言われています。
前歯を挺出(伸び出させる動き)をさせてしまうと新鼻声が損なわれる場合があるため、奥歯を圧下(骨の中に沈み込ませる動き)をさせる必要性があるのですが、この奥歯の圧下が非常に難しい動かし方になります。
ワイヤー矯正の場合はアンカースクリューが必要になります。
一方で、マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)であれば比較的容易に前歯部開咬が改善できることがわかっていますので、前歯部開咬の方にはマウスピース矯正をおすすめします。
3.臼歯部開咬
前歯部開咬とは違い、前歯はかぶさっているものの奥歯がかぶさっていない噛み合わせになります。
嚥下時に舌を側方にはみ出させるように動かしてしまうことが主な要因となっています。
奥歯の接触がないか非常に弱い状態ですので、食べ物を細かくすり潰す行為が難しくなります。
そのため、まだ十分に咀嚼できていない状態で飲み込んでしまうことになり、胃腸への負担も大きくなるでしょう。
臼歯部開咬については比較的容易に治療することができます。
舌の悪影響を受けた歯並びに共通している注意点
ここまで、3種類の歯並びについて見てきました。
どれも舌によって悪影響を受けた結果の歯並びでなのですが、いずれも矯正治療によって改善することは可能です。
正、注意点として矯正治療中に正しい舌の動かし方が習得できていなかった場合、せっかくきれいになった歯並びがまた元のように悪化してしまう恐れがあります。
そこで非常に大切なのがMFT(舌のトレーニング)になります。
MFTについては過去のブログでも紹介していますのでそちらも併せてご覧ください。(過去のブログはこちらをクリック)
歯並びが一時的にきれいになったとしても、すぐに元に戻ってしまっては正しい治療であるとは言えません。
当院では舌の良くない癖がある患者様については、矯正治療と並行してMFTを行うことで長期的に安定した歯並びを構築することを目指しています。
舌癖がある患者様の治療も安心してお任せいただければと思います。
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