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小学生から矯正歯科治療を行う5つのメリット|費用や使用する装置を解説

小学生から矯正歯科治療を始めることで、将来の歯並びや健康な口元を育むための大きなメリットを得られます。

成長期の早い段階で矯正歯科治療を行えば、効果的に歯並びを整えるだけでなく、骨格の発達をサポートし、将来の複雑な治療を予防することも可能です。

この記事では、小学生から矯正歯科治療を始めるメリットや治療にかかる費用、使用する装置の種類について詳しく解説します。お子さまの将来の笑顔と健康のために、早期の矯正歯科治療がどのように役立つのかを見ていきましょう。

ブライフ歯科 院長 / 日本矯正歯科学会認定医 平塚 泰三(ひらつか たいぞう)

ブライフ矯正歯科 院長
平塚 泰三(ひらつか たいぞう)

東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業後、1年間の研修医を経て東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面矯正学分野に入局。大学院を修了し歯学博士を取得。関東を中心に複数の歯科医院にて矯正担当医として勤務。2021年11月に静岡県静岡市にてブライフ矯正歯科を開業。正しい矯正歯科治療を適正な治療費で提供するように努めている。日本矯正歯科学会認定医。

小学生の矯正歯科治療は2種類

子どもの歯並びを整える矯正歯科治療は、乳歯が永久歯に生え変わる過程で段階的に進められます。

小学生の矯正治療は大きく分けて「1期治療」と「2期治療」に分かれ、それぞれ目的と方法が異なります。

1期治療

1期治療は、小学生を主な対象とした矯正治療の一環で、乳歯と永久歯が混在する6歳から12歳ごろの「混合歯列期」に行われます。

この時期は、成長期特有の顎の発育を最大限に活用できるため、矯正歯科治療を始めるのに適したタイミングといえます。

顎の骨の成長を活用しながら上下の顎の位置や形を整え、永久歯がきれいに正しく並ぶためのスペースを作ることが目的です。

1期治療を行うことで、将来的に歯を抜かずに治療を進められる可能性を高められるでしょう。

また受け口や出っ歯といった、骨格による問題を改善できる可能性があり、将来的により綺麗な歯並びを獲得することにも繋がります。

2期治療

2期治療は、12歳前後に生えてくる永久歯である12歳臼歯(第2大臼歯)が生えそろう、小学校の高学年から中学生以降に開始するものです。

この段階の治療は、成人の矯正歯科治療と同様の方法で行い、永久歯がきれいに並ぶよう細かな調整をします。

症状によっては、1期治療の成果を引き継ぐことで、より簡単に治療を進められることもあります。

小学生のうちから矯正歯科治療を行うメリット

小学生のうちから矯正歯科治療を始めることには、次のような5つの大きなメリットがあります。

・抜歯しないで治療できる可能性が高まる
・顎の骨の成長のバランスを整えられる
・子どものうちから悪習慣を改善できる
・虫歯や歯周病になるリスクを減らせる
・2期治療がしやすくなる

それぞれ順番に見ていきましょう。

抜歯しないで治療できる可能性が高まる

小学生のうちから矯正歯科治療を始める大きなメリットの一つが、抜歯しないで治療できる可能性を高められることです。

子どもの顎が小さい場合、永久歯を正しく並べるスペースが不足していることがあります。

1期治療では、顎の幅を広げたり、奥歯の位置が前に出ている場合は後方に移動させたりすることで、永久歯が並ぶ十分なスペースを作ります。

成長期の顎の発達を利用することで、無理のない治療が可能になり、抜歯のリスクを大幅に減らせるのが大きなメリットです。

健康な歯を残しつつ、美しい歯並びを保つことができます。

ただ、あまりにも歯が並ぶスペースが不足していたり、口元が突出している場合には抜歯をせざるを得ないこともあります。

顎の骨の成長のバランスを整えられる

小学生のうちに矯正歯科治療を開始することで、将来的なリスクを最小限に抑えながら、顎の骨格の自然な発達をサポートすることができます。

たとえば、上顎と下顎の成長バランスがズレてしまうと、出っ歯や受け口などの問題が発生しやすくなります。

1期治療では、子どもの成長を活用しながら上下の顎の成長を調整し、骨格の不均衡を改善可能。

この時期に上顎や下顎の位置を適切にコントロールすることで、正しい噛み合わせを実現し、健康的な顎の発達を促します。

また、成長期に骨格の調整を行うことで、成人後に複雑で負担の大きい治療を避けられる場合もあります。

子どもうちから悪習慣を改善できる

小学生のうちに悪い癖を矯正することは、顎の骨や歯並びの正常な発育につながります。

子どものうちからの口元の悪い習慣は、歯並びや噛み合わせに大きな影響を及ぼすことがあります。

たとえば、歯を前に押し出すような正しくない舌の位置(舌癖)や、指しゃぶりといった癖は、歯並びに悪影響を与える原因です。

早いうちに悪習慣を発見し、改善することで、将来的に正しい噛み合わせを維持しやすくなります。

虫歯や歯周病になるリスクを減らせる

早期の矯正歯科治療は、将来的な歯のトラブルを減らすうえで効果的です。

歯並びが整っていると、日々の歯磨きがスムーズに行えて口腔内を清潔に保ちやすくなります。

一方で、歯並びが凸凹していると歯垢が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。

矯正治療を通じて歯を正しい位置に整列させることで、歯ブラシが隅々まで行き渡りやすくなり、磨き残しを軽減可能。

特に小学生のうちから歯並びを整えることで、適切な口腔衛生の習慣を身につける手助けとなり、歯の健康を長期的に守ることができるでしょう。

2期治療がしやすくなる

2期治療をスムーズに進められる点も大きなメリットです。

1期治療では、成長期の顎の発育を適切にサポートし、永久歯が正しい位置に生えるよう導きます。

この基盤を整えることで、2期治療が必要になった際も無理のない効率的な治療が可能になります。

また、歯並びの症状が比較的軽い場合には、1期治療だけで理想的な結果を得られ、2期治療が不要となるケースも少なくありません。

早期に適切な対応をすることで、お子さまだけでなく親御さんにとっても大きな安心につながります。

小学生からの矯正歯科治療で使用する装置

小学生の矯正歯科治療でも、1期治療と2期治療とでは使用する装置が異なります。

それぞれの治療に適した装置を使うことで、効果的に歯並びや顎の成長をコントロールすることができるでしょう。

1期治療

1期治療では、お子さまの口の状態に応じて使用する装置が変わります。

今回は、ブライフ矯正歯科でよく用いられる3つの装置について、それぞれの特徴を紹介します。

拡大プレート

拡大プレートは、顎を広げて歯が並ぶための十分なスペースを作り、歯を正しい位置へと導くための装置です。

「拡大床」や「床矯正」とも呼ばれ、矯正歯科治療で広く使われています。

この装置の特徴は取り外しが可能であること。

使い始めるタイミングとしては7~8歳ごろが適しており、通常1~2年程度の治療期間を要します。

拡大プレートは顎の拡大をゆっくり進めるため、痛みが少なく、子どもにとって負担が少ない治療方法といえます。

それでいて治療効果が高く、小学生の矯正歯科治療において広く利用されている装置の一つです。

歯列矯正用咬合誘導装置

透明なマウスピース型の歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)は、反対咬合(受け口)の治療に使われ、上下の歯の噛み合わせを正しく整えることができます。

筋機能訓練装置とも呼ばれ、口元周りの筋肉のバランスを整えながら、舌を正しい位置に戻して噛み合わせを改善していくための矯正装置です。

対象年齢は3〜7歳くらいで、装着したまま就寝可能。

使用期間は1〜2年前後ですが、早ければ使用後3ヶ月程度で受け口に改善が見られるケースもあります。

小学生以下のお子さまでも、親御さんと一緒に使い方を確認しながら、簡単に取り扱いができます。

バイオネーター

バイオネーターは、上下の顎の成長バランスを調整するために用いられる取り外し可能な機能的矯正装置です。

特に、出っ歯や受け口、深い噛み合わせ(過蓋咬合)などの改善に効果を発揮します。

ただし、顎の状態によって治療の効果が左右されるため、治療開始前の検査が重要になります。

2期治療

2期治療では、大人と同じ矯正装置が使用されます。

この治療段階では、主に永久歯を矯正するための装置が用いられ、歯をきれいに整列させて噛み合わせを改善します。

一般的に選択できる装置は、以下の2種類です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、最も一般的な矯正方法です。

歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かしていきます。

特にワイヤー装置は、幅広い歯並びの問題に対応することができ、細かな調整が可能です。

ブラケットの素材には、プラスチックやセラミックなど種類もさまざま。

ワイヤーもシルバーだけでなく、ホワイトなどの目立ちにくいタイプも選べるため、お子さまの希望に合わせて治療を進められます。

歯にしっかりと固定されている矯正装置なので、常に安定した力がかかり、効率的に歯を動かすことができます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を動かす治療法です。

最大の特徴は、取り外しが可能で、見た目を気にせずに治療を続けられる点です。

特に、目立つ装置を避けたい方にとって、日常生活のなかで治療が目立たないのは大きな魅力といえます。

また、ワイヤー矯正とは異なり、食事や歯磨きの際に簡単に取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいのもメリット。

ただし、効果をしっかり得るためには、1日20時間程度という決められた装着時間を守る必要があります。

小学生の矯正歯科治療にかかる費用

小学生の矯正歯科治療にかかる費用は、矯正歯科や使用する装置によって異なりますが、一般的には30〜100万円程度が相場とされています。

ブライフ歯科の1期治療と2期治療それぞれの費用相場は、以下の通りです。

1期治療 40〜60万円程度
2期治療 60〜100万円程度

毎回の調整料がかかるため、治療期間によって費用は上下します。

また、矯正治療期間のほかにも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、矯正装置の種類によっても費用が変わります。

お子さまに最適な治療方法を選ぶため、費用の詳細や分割払いなどの支払方法についてよく相談しましょう。

小学生の矯正歯科治療に関するよくある質問

ここまで、小学生のうちから矯正歯科治療を行うメリットや装置の種類について解説してきました。

最後に、小学生の矯正歯科治療に関してよく寄せられる質問にお答えします。

小学生の矯正歯科治療は医療費控除を受けられる?

小学生の矯正歯科治療はほとんどのケースで医療費控除の対象となります。

そのため、治療費の領収書や矯正歯科治療に関する医師の診断書を保管しておくことが重要です。

医療費控除の対象かどうか、各矯正歯科のカウンセリング時に相談しておきましょう。

小学生の矯正歯科治療は後悔する?

親御さん・お子さんともに、早期に矯正歯科治療を受けさせたことで満足しているケースが多いです。

小学生のうちから治療を行うことで、顎の成長を利用できるため、抜歯のリスクが減り、健康的な歯並びをサポートできます。

小学生の矯正歯科治療での後悔を防ぐためには、事前に矯正歯科医との十分なカウンセリングを行い、お子さまに最適な治療計画を立て、納得したうえで開始することが大切です。

お子さまの性格や装置の管理ができるかどうかも考慮し、親子で協力して治療に取り組むことが成功の鍵となります。

小学生の矯正歯科治療はブライフ矯正歯科へ

小学生の時期に矯正歯科治療を始めることは、将来の健康な歯並びと美しい笑顔を守るための大切な選択です。

早期に治療を始めることで、顎の成長を活用したスムーズな矯正が可能となり、抜歯のリスクを軽減できます。

また、口腔内の衛生管理もしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも抑えることができるのもメリットです。

静岡市にあるブライフ矯正歯科では、最新の設備と豊富な経験を持つ専門医が、一人ひとりに合わせた最適な治療プランを提供しています。

親御さんの不安や疑問にも丁寧にお答えし、お子さまと共に安心して治療を進めていただける環境を整えています。

治療を通じて得られるのは、見た目の美しさだけでなく、生涯にわたる健康への投資です。

お子さまの歯並びに少しでも気になる点があれば、まずはお気軽にご相談ください。

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