矯正歯科治療中の食事はどうする？おすすめの食べ物や食事のコツを解説

矯正歯科治療を検討されている方のなかには、「治療中でも食事は普通にできるのだろうか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

矯正装置をつけると、これまで普通に食べていたものが食べにくくなったり、些細なことに注意が必要になったりする場合があります。

しかし、事前に食事で注意すべきポイントを知っておけば、不安を減らしながら矯正歯科治療をスタートすることが可能です。

この記事では、矯正歯科治療中に避けた方がいい食べ物やおすすめの食べ物、食事のコツについて詳しく解説します。

矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費（自由）診療です。
一般的な治療期間：2年から3年、一般的な通院回数：20回～30回
矯正歯科治療の一般的なリスクと副作用：痛み ・口腔内不潔域の拡大と自浄作用の低下・歯根への影響（歯根の短小、歯の失活、歯肉退縮、歯根露出、失活歯の歯根破折）・顎関節症状・後戻り·加齢による変化・骨癒着

矯正歯科治療中の食事の注意点

矯正歯科治療には、主にワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類がありますが、治療方法によって食事の注意点が異なります。

ここでは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれの食事の注意点を解説します。

ワイヤー矯正の食事の注意点

ワイヤー矯正中は、矯正装置が歯に固定されているため、食事による影響を受けやすくなります。

特に装着直後や調整後は歯の痛みが出やすく、食事がしづらくなることも少なくありません。

また、矯正装置の隙間には食べかすがたまりやすく、歯磨きが不十分だと虫歯や歯周病のリスクが高まります。

ワイヤーやブラケットは衝撃に弱く、硬いものを噛むと装置が外れたり、変形したりする恐れもあるため、注意が必要です。

マウスピース矯正の食事の注意点

マウスピース矯正は基本的に食事の制限はありませんが、食事の際は必ずマウスピースを外す必要があります。

装着したまま食べると、マウスピースが変形したり、破損したりするおそれがあるためです。

また、マウスピースをつけたまま水以外の飲み物を飲むと、糖分や色素を含む成分がマウスピースの内側に残り、虫歯や着色汚れの原因になります。

そのため、仕事中など長時間マウスピースを装着しているときに飲み物を摂取する場合は、水が推奨されます。

熱いものもマウスピースを変形させるおそれがあるので、白湯を飲む場合もマウスピースは外しましょう。

矯正歯科治療中に避けたほうがよい食べ物

矯正歯科治療中は、普段の食事とは異なり、避けたほうがよい食べ物があります。

具体的には、以下のような食べ物に注意が必要です。

• 硬い食べ物
• 矯正装置に挟まる食べ物
• 矯正装置にくっつく食べ物
• 色素の濃い食べ物
• 色の濃いものや糖分が多い飲み物

それぞれ詳しく見ていきましょう。

硬い食べ物

矯正歯科治療中は、特に硬い食べ物を避けたほうがよいでしょう。

硬いものを無理に噛むと歯に強い圧力がかかり、痛みが出る可能性があるためです。

また、強い力を加えると矯正装置が破損するおそれもあります。

避けるべき硬い食べ物の例は、以下のとおりです。

• フランスパンなどの硬いパン
• せんべい
• ナッツ類（アーモンド、くるみなど）
• りんご
• スルメイカ

このような食べ物は、矯正装置が外れたり、歯に強い負担がかかったりするリスクがあります。

矯正装置に挟まる食べ物

矯正装置に挟まりやすい食べ物は、食後のケアが大変になります。

特に繊維質の多い野菜や細い麺類は、ワイヤーやブラケットの間に入り込みやすく、歯磨きをしても取りづらいことがあります。

そのまま放置すると、虫歯や口臭の原因になるため注意が必要です。

挟まりやすい食べ物は、以下のとおりです。

• ひじきやわかめなどの海藻類
• えのき、ニラ、ネギ、水菜などの繊維質の多い野菜
• ひじきやわかめなどの海藻類
• ラーメンやそうめんなどの細い麺類
• ステーキや焼肉の筋の部分
• ささみやイカなどの繊維質の多い肉・魚

これらの食材は装置に絡まりやすく、取り除くのが大変なため、なるべく控えるのが無難ですが、

食後のケアを注意深く行うことができれば問題ありません。

矯正装置にくっつく食べ物

粘着性の高い食べ物は、矯正装置にくっつきやすいため、食べるのを控えましょう。

一度くっつくと取り除くのが大変です。

また、装置を引っ張ることでワイヤーが外れるリスクもあります。

避けるべきくっつく食べ物の例は、以下のとおりです。

• ガム
• キャラメル
• 餅
• ソフトキャンディ

特にワイヤー矯正は、これらの食べ物が装置にくっつくと歯科医院での専門的なクリーニングが必要になる場合があるため、注意が必要です。

色素の濃い食べ物

色の濃い食べ物は、矯正装置や歯に着色しやすいため、見た目の観点からできるだけ控えることをおすすめします。

特にワイヤーを固定する白や透明のゴムは、色がつくと目立ちやすいです。

ゴムは定期的に交換されるものの、交換のタイミングまで着色が続くことになってしまいます。

避けるべき色素の濃い食べ物の例は、以下のとおりです。

• カレー
• キムチ
• トマトソース系の料理
• 醤油やソースを使った濃い味付けの料理
• チョコレート
• ブルーベリー、ブラックベリー

変色を防ぐために、これらの食べ物は控えるのが理想です。

どうしても食べたい場合は、食後すぐに水を飲んで口をすすぐことで、着色を軽減できます。

色の濃いものや糖分が多い飲み物

食べ物だけでなく、飲み物にも注意が必要です。

色の濃いものや糖分が多いものは、矯正装置の着色や虫歯の原因となります。

避けるべき飲み物の例は、以下のとおりです。

矯正期間中は、基本的には水を飲むことをおすすめします。

水以外を飲む場合は、飲んだ後に水で口をすすぐなど対策をとるのが望ましいです。

矯正歯科治療中におすすめの食べ物

矯正歯科治療中は、やわらかくて噛む負担が少ない食事を選ぶのがポイントです。

矯正装置に負担をかけにくく、痛みがあるときでも食べやすい食べ物を紹介します。

やわらかい主食

やわらかい主食は、噛む負担が少なく矯正歯科治療中でも食べやすいです。

具体的には、以下のような主食があります。

豆腐・卵料理

豆腐や卵を使った料理は、やわらかくて栄養価が高く、矯正歯科治療中の食事にぴったりです。

おすすめの豆腐・卵料理は、以下があります。

・湯豆腐

・冷奴

・茶碗蒸し

・スクランブルエッグ

・オムレツ

・卵スープ

ひき肉を使った料理

通常の肉よりも噛みやすいひき肉は、矯正歯科治療中でも食べやすい食材です。

おすすめのひき肉料理は、以下のとおりです。

・ハンバーグ

・そぼろ

やわらかく調理した野菜

生野菜は噛みにくいため、煮たり蒸したりしてやわらかくすると食べやすくなります。

具体的には、以下のような野菜料理がおすすめです。

・煮物（かぼちゃの煮つけ、肉じゃがなど）

・蒸し野菜

・かぼちゃやじゃがいものポタージュ

やわらかいフルーツ

硬いフルーツは避け、やわらかくて食べやすいものを選ぶと良いでしょう。

おすすめのフルーツは、以下のとおりです。

・バナナ

・キウイ

・みかん

・熟したアボカド

スープ・汁物

スープや汁物は、噛む必要がなく、痛みがあるときでも飲みやすいのでおすすめです。

具体的には、以下のようなスープや汁物があります。

・味噌汁

・クリームシチュー

・コンソメスープ

やわらかいデザート

甘いものを食べたいときは、噛まずに食べられるデザートを選びましょう。

おすすめのデザートは以下のとおりです。

・ヨーグルト

・ゼリー

・プリン

ただし、やわらかくて食べやすい食材を選ぶのがおすすめですが、噛まずに済むものだけを食べ続けると顎の筋肉が弱るため、痛みが落ち着いている場合は、無理なく噛めるものを選ぶようにしましょう。

矯正歯科治療中の食事のコツ

矯正歯科治療中は、食べづらさや痛みを感じることがあるため、食事の工夫が大切です。

矯正歯科治療中の食事のコツとして、以下が挙げられます。

• 調理を工夫する
• 少しずつ食べる
• 食後のケアを徹底する
• 栄養バランスを考えて食事を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

調理を工夫する

食材の調理方法を工夫すると、矯正歯科治療中でも食べやすくなります。

食べやすい大きさに切る

食材を細かくカットすることで、噛む回数が減り、歯や歯茎への負担が軽減されます。

特に硬い野菜や肉類は、大きなままでは噛みにくく、矯正装置に引っかかることもあるため、小さく切るのが望ましいです。

すりおろしやペースト状にする

硬い食材は、すりおろしたりペースト状にすることで食べやすくなります。

たとえば、りんごやにんじんはすりおろしてヨーグルトと混ぜると、食感が柔らかくなり矯正装置に引っかかりにくくなります。

煮込んで柔らかくする

食材を煮込むことで、より柔らかくなり、噛みやすくなります。

特に肉や野菜は、長時間煮込むと繊維がほぐれるため、スープやシチュー、煮物にして食べるのがおすすめです。

少しずつ食べる

矯正歯科治療中は、噛みにくさを感じることが多いため、一度に大量の食べ物を口に入れるのではなく、少しずつ食べるように意識することが大切です。

食事の際に噛む回数を減らすためにも、一口の量を調整しながらゆっくりと咀嚼することを心がけましょう。

特に矯正装置を装着してすぐの時期は、食べにくさを感じやすいため、少しずつ噛みながら慣れていくことが重要です。

食後のケアを徹底する

矯正装置をつけていると、食べ物が矯正装置の隙間に詰まりやすくなるため、食後のケアをしっかり行う必要があります。

特に、ワイヤー矯正の場合、食べかすがブラケットやワイヤーの間に挟まりやすく、歯磨きを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まります。

食後は、できるだけ毎回歯磨きをするのが理想ですが、外出先などで難しい場合は、うがいをして口の中を清潔に保つだけでも効果的です。

また、矯正歯科専用の歯ブラシやフロスを活用すると、装置の隙間までしっかりと汚れを落とせます。

食事を楽しむためにも、日々のケアを丁寧に行い、清潔な口腔環境を保ちましょう。

栄養バランスを考えて食事を選ぶ

矯正歯科治療中は、やわらかいものばかり食べがちですが、栄養バランスを意識することも大切です。

特に、口内環境を整えるビタミンや回復を助けるタンパク質を積極的に摂取すると、矯正歯科治療中の健康をサポートできます。

積極的に摂りたい栄養素は、以下のとおりです。

矯正歯科治療中の外食はどうする？

矯正歯科治療中でも、ちょっとした工夫をすることで快適に外食を楽しめます。

矯正歯科治療中の外食で気をつけたいポイントは、以下の3つです。

• メリハリをつけて食べる
• 水をこまめに飲む
• 歯磨きセットを持ち歩く

それぞれ詳しく解説します。

メリハリをつけて食べる

外食では、つい長時間食べ続けたり、だらだらと飲み続けたりしがちですが、矯正歯科治療中は、できるだけメリハリをつけた食事が大切です。

特に、飲み会や会食、旅行などで飲食する場面では、ゆっくりと時間をかけて飲食してしまうことが多いです。

しかし、長時間食べ続けると、歯の汚れが蓄積されやすくなります。

また、糖分を含む飲み物や色の濃い食べ物を頻繁に口にすることで、着色や虫歯のリスクも高まります。

食べる時間と休む時間をしっかり分け、だらだらと食べ続けないようにするのがポイントです。

水をこまめに飲む

外食時は、矯正装置の着色や食べかすの付着を防ぐために、こまめに水を飲む習慣をつけることが大切です。

特に、カレーや赤ワイン、コーヒーなどの色素の濃い飲み物を摂取した際は、水を飲むことで矯正装置の変色を予防できます。

また、歯の表面に付着した食べかすを洗い流し、矯正装置への負担や虫歯のリスクも軽減できます。

特に長時間の食事が避けられない場合は、水をこまめに飲む意識を心がけましょう。

歯磨きセットを持ち歩く

矯正装置を装着していると、食べ物が装置の隙間に入り込みやすくなるため、外出時は歯磨きセットを持ち歩き、食後にブラッシングをする習慣が大切です。

小さめの歯ブラシや矯正歯科専用の歯間ブラシ、ミニサイズの歯磨き粉をポーチに入れておけば、外出先でも簡単に歯磨きができます。

もし歯ブラシが使えない場合は、マウスウォッシュを活用するのもおすすめです。

うがいをするだけでも食べかすを取り除き、口の中を清潔に保つことができます。

また、飲食後すぐに歯磨きができない場合は、水で口をすすぐだけでもある程度の効果があります。

特に、カフェやレストランで色の濃い飲み物を飲んだ後は、できるだけ早めに口の中をすすぎ、着色を避けることが重要です。

矯正歯科治療中は工夫して食事を楽しもう

矯正歯科治療中は、普段の食事とは違った工夫が必要になります。

硬い食べ物や矯正装置にくっつく食べ物は避け、やわらかいものを選んだり、食材を小さく切ったりすることで、無理なく食事を楽しめるでしょう。

また、食後は歯磨きなどのケアを徹底し、清潔な口腔環境を保つことも重要です。

矯正歯科治療は長期間にわたるため、食事のストレスを減らしながら続けることが大切です。

食事やケアについて不安がある場合は、専門の矯正歯科医に相談することで、より安心して治療を進められます。

ブライフ矯正歯科では、患者様一人ひとりに合わせた治療プランや食事のアドバイスを行っています。

矯正歯科治療を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。