矯正歯科治療の通院頻度はどのくらい？期間や治療をスムーズに進めるためのポイントも解説

「矯正歯科治療はどれくらいの頻度で通うの？」「通院頻度が低い矯正歯科治療はあるの？」など悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

矯正歯科治療のトラブルを回避し、治療計画通りに歯を動かすためには、通院日を守って通院することが求められます。

だからこそ「忙しい日常生活の合間に矯正歯科治療に通い続けられるだろうか」と、不安になるのも当然です。

この記事では、種類別の矯正歯科治療の費用頻度や治療期間、通院日で行う治療内容などを解説します。

通院頻度の低い矯正歯科治療の種類や、治療をスムーズに進めるために注意したいポイントなども説明しますので、矯正歯科治療を検討中の方はぜひ最後までお読みください。

矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費（自由）診療です。
一般的な治療期間：2年から3年、一般的な通院回数：20回～30回
矯正歯科治療の一般的なリスクと副作用：痛み ・口腔内不潔域の拡大と自浄作用の低下・歯根への影響（歯根の短小、歯の失活、歯肉退縮、歯根露出、失活歯の歯根破折）・顎関節症状・後戻り·加齢による変化・骨癒着

矯正歯科治療の通院頻度は？

矯正歯科治療は大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正がありますが、どの方法で治療するかによって通院頻度が異なります。

では、種類ごとの通院頻度や、治療後の通院頻度目安について詳しく見ていきましょう。

ワイヤー矯正の通院頻度

ワイヤー矯正は、歯面にブラケット装置を装着して固定し、ワイヤーを通して歯に圧力をかけ動かす矯正治療方法です。

一般的な矯正歯科治療で、ほとんどの症例に適用し、計画的に歯が動きやすいメリットがあります。

ワイヤー矯正の通院頻度は、通常3〜４週に1度のペースです。

ワイヤー矯正では、ブラケットの装着位置やワイヤーの曲がり方、力加減などを調整して理想の位置へと歯を動かします。

力加減や位置が微妙に異なるだけで、歯の動き方が変わってしまうとても繊細な治療です。

そのため、およそ1か月に１度の頻度で矯正歯科へ通院し、ワイヤーの微調整や動き方をチェックしなければなりません。

マウスピース矯正の通院頻度

マウスピース矯正は、プラスチック製のマウスピースを装着し歯に圧力をかけて動かす矯正方法です。

装着するマウスピースは透明なので、矯正装置が目立ちません。

また取り外しが可能なので、食事の制限が少なく、口腔ヘアも通常通りにできます。

目立たず、取り外しができるメリットは大きく大人気の歯科矯正治療です。

マウスピース矯正の通院頻度は、マウスピース矯正に使用するブランドによって異なります。

たとえば、最も多くの歯科医師が利用するインビザライン矯正だと、治療過程が安定してくると4〜5か月に1度のペースが一般的です。

ただし、遠隔診療などがなく、その間チェックが受けらない場合はマウスピースがフィットしなくなり治療期間が大幅に遅延してしまう場合があります。

通院の回数が少ないのはメリットですが、治療期間が長くなってしまっては意味がありません。

治療を受ける矯正歯科医院が遠隔診療を行っているかを確認し、行っていない場合はワイヤー矯正と同じような間隔で月に１度程度通院しチェックを受けた方が良いでしょう。

矯正歯科治療終了後の通院頻度

矯正歯科治療終了後もしばらくは通院し、後戻りをしていないか、噛み合わせの問題はないかなどの確認をする必要があります。

通院頻度は治療期間中と比べて少なく、3〜6か月に1度のペースです。

矯正歯科治療が終了した直後の歯は、歯の骨の状態が安定していないため、簡単に後戻りします。

後戻りを防ぐためにリテーナーという保定装置を装着しますが、歯科医院が定期的にチェックし、リテーナーに不具合がないか、噛み合わせに変化はないか確認してもらう必要があります。

また、万が一後戻りをした場合でも早期に対処することで、再治療のリスクを減らせます。

矯正歯科治療の通院日にする治療内容

「そもそも通院日にはどんなことをするの？」「通院日は守る必要があるの？」と考えるのではないでしょうか。

通院日には具体的に何をするのかある程度知っていると、通院日を守ることの大切さを理解でき、予約を守ろうというモチベーションにもつながります。

通院日にする主な治療内容を3つ紹介します。

歯が順調に動いているかチェックする

通院日には、歯が順調に動いているかチェックし、必要な調整を行います。

矯正歯科治療を始める前に具体的な治療計画を立てますが、毎日矯正装置を装着していても治療計画通りに動くとは限りません。

そこで、通院のたびに歯が計画通りに動いているか確認し、微調整を加える必要があります。

具体的には、以下のような微調整が行われます。

歯が順調に動くためには、期間を守って通院し、これらの調整を確実に行うことが不可欠です。

矯正器具に不具合がないかチェックする

通院日には、矯正器具に不具合がないかチェックします。

ワイヤー矯正をしている場合、気付かぬ間にブラケット装置やワイヤーが外れることがあるからです。

また、マウスピース矯正の場合は、アタッチメントやゴムかけのためのフックが破損している場合もあります。

不具合が起こった矯正器具を放置していると、歯が想定通りに動かず、矯正歯科治療が長引くリスクがあります。

さらに、器具が破損していると、歯周組織に傷ついてしまい口内炎になり、食事や会話の際に痛みが伴うことも。

トラブルに早く気づき、処置受けることでスムーズに矯正歯科治療を進められます。

ストレスを回避し、治療をできるだけ早く終わらせるために予定通りに通院することは重要です。

口腔内にトラブルがないかチェックする

口腔内にトラブルがないかも確認します。

たとえば、矯正歯科治療中に虫歯や歯周病ができると、矯正歯科治療を中断して治療をしなければなりません。

ただし、早期発見できた場合は、フッ素塗布やスケーリングなどの簡単な処置をした後で経過観察が可能なことも。

また、装置が強く当たりすぎたり、歯にかかる力が強すぎたりすると、歯茎が下がってくることもありますが、ちょっとしたトラブルに気づくことができれば、矯正器具の微調整を行うことで大きなトラブルを未然に防げます

このように矯正歯科治療を中断せずに、適切な処置を施すためには、定期的に口腔内の確認が欠かせません。

矯正歯科治療の治療期間目安

通院頻度とともに、矯正歯科治療にかかる治療期間の目安を把握していると、全体的なスケジュールを把握しやすくなります。

たとえば、合計で何回ほど通うのか、通院頻度が負担になる可能性があるのかなどがイメージできるでしょう。

矯正治療には全体矯正と部分矯正があり、以下のように治療期間目安が異なります。

全体矯正の治療期間目安

全体矯正とは、歯を全体的に動かし歯並びや噛み合わせなどを整える矯正歯科治療です。

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、全体矯正をする場合にかかる期間目安は1〜3年です。

ゆっくりと時間をかけて歯並びを動かし噛み合わせを調整するため、後戻りしにくいメリットがあります。

また、噛み合わせの治療をすることで、顎関節にかかる負担を減らしたり、肩こりや頭痛の改善ができたりすることも少なくありません。

月に1度の通院頻度で3年治療を続けた場合は全体で36回以上、3か月に1度の通院頻度で3年治療に通ったと仮定すると16回以上の通院が必要です。

このように全体矯正をする場合、通院頻度の違いによって通院回数が大きく変わってきます。

部分矯正の治療期間目安

部分矯正は、前歯を中心に一部の気になる箇所の歯並びを調整する矯正歯科治療です。

部分矯正の治療期間目安は、2か月〜1年です。

全体矯正に比べると治療期間が短いため、できるだけ治療を早く終えたい方に向いています。

ただし、部分矯正は噛み合わせの調整はできず、治療適用範囲にも限りがあるため、主に軽度の症例に対応しています。

部分矯正でワイヤー矯正をする場合の通院頻度目安は1か月に1度なので、1年治療すると仮定すると12回通う計算です。

マウスピース矯正だと、2か月に1度の頻度で通うことが多く、1年治療する場合は6回の通院が必要です。

保定期間にかかる目安

保定期間は、一般的に２年です。

保定期間中の通院頻度を3か月〜６か月に1度通院し定期的なチェックを受けます。

保定期間中の通院期間は治療内容や口腔内状況によって異なり、歯がが安定してくると通院頻度が少なる場合も多いです。

矯正歯科治療をスムーズに進めるためのポイント

矯正歯科治療をできるだけ早く終了し、通常の日常生活を送るためには、患者側の協力が欠かせません。

スムーズに矯正歯科治療を進めるためのポイントを3つ紹介します。

通院日を守る

予約した通院日を守って通院することが大切です。

歯科医師は、歯の並び方や骨や歯茎の状態などを確認し、次の通院日のタイミングを決めているからです。

上記でも触れたように、通院日では理想通りに歯が並ぶために必要な微調整を行ったり、計画通りに歯が動いているか確認したりします。

必要なタイミングで調整をすることで、矯正歯科治療がスムーズに進むでしょう。

反対に、通院日を守らず無断でキャンセルしたり、しばらく通院しなかったりすると治療計画通りに歯が動きません。

通院しない間に歯が全く違う方向に動いてしまうリスクもあるため、治療が長引く原因にもなります。

自己管理を徹底する

日常生活を送っているときも、矯正歯科治療中は特に自己管理を徹底する必要があります。

たとえば、虫歯や歯周病にならないようにいつも以上に、口腔ケアに気を配ることが大切です。

特に、ワイヤー矯正では固定式のブラケットやワイヤーがあるため、食べかすやプラークが付着しやすい状況です。

歯ブラシだけではしっかりと磨けないため、タフトブラシやデンタルフロスなどのツールを併用して口腔ケアをすることが求められます。

また、マウスピース矯正の場合、1日に20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。

装着時間と装着方法を守って装着することで、歯がスムーズに動きます。

このように口腔ケアやマウスピースの管理、装着方法など自己管理を徹底することで、歯科矯正治療がスムーズに進みます。

気になることがあった場合は矯正歯科へ相談する

矯正装置や痛みに関してなど、気になることがあった場合は矯正歯科へ相談することも大切です。

どんなに気をつけていても、装置が外れたり、破損したりするトラブルが起こる可能性は否定できません。

また、新しく交換したマウスピースが歯茎や舌に当たって痛みを感じることもあるでしょう。

さらに、ワイヤーを調節した直後やマウスピースを交換した直後に、いつも以上の痛みを感じる可能性も否定できません。

このようにいつもと違うと感じたり、不安に思うことがあったりした場合はすぐに矯正歯科へ相談してください。

必要なら適切な処置をすることで、問題が大きくなるのを防げます。

矯正歯科治療の通院頻度に関するQ&A

ここまで、矯正歯科治療の通院頻度や治療期間について解説しました。

最後に、矯正歯科治療を受けるか悩んでいる方が通院に関して考える質問をいくつか考えましょう。

矯正治療が終わった後も通院が必要なのはなぜ？

矯正治療が終わった後も通院が必要なのは、後戻りがないか、噛み合わせは問題ないかなどをチェックするためです。

矯正治療直後は、特に骨や歯茎の状態が安定していないため簡単に後戻りしやすい時期です。

この時期に、通院を放置していると、後戻りに気づかずに再治療が必要になるリスクがあります。

決められた頻度で通院することで、後戻りしていないかチェックできるだけでなく、問題が起こった場合でも適切な処置が施せます。

通院頻度が低い矯正歯科治療はどれ？

通院頻度が低い矯正歯科治療は、マウスピース矯正です。

マウスピース矯正の中でも選んだブランドや口腔内の状況によって異なるとはいえ、インビザラインだと2〜５か月に1回程度の通院頻度です。

矯正歯科治療をしている方は、仕事や学業で忙しい方が多いことでしょう。

日常生活のなかで通院する頻度を減らして、歯科矯正治療の負担を抑えたい場合は通院頻度の低い矯正治療法を選ぶのも効果的です。

通院が2か月あいてしまっても大丈夫？

マウスピース矯正だともともと通院頻度が2〜５か月に1度なので、問題ありません。

しかし、1か月に1度のペースで通院するように指示されている場合やワイヤー矯正の場合は、2か月以上期間があかないことが望ましいです。

長期出張や、思いがけない入院など、通院が2か月以上あいてしまう可能性がある場合は、先に歯科医師に伝えてください。

すでに2か月以上経過している方は、できるだけ早く矯正歯科へ行くことをおすすめします。

予約していた日に急な予定が入った場合はどうしたら良い？

急な残業や子どもの病気などやむを得ない理由で予約日をキャンセルしなければならないこともあるでしょう。

予約日をキャンセルしなければならない場合は、予定日にできるだけ近い日程で再予約してください。

先ほども触れたように、歯科医師は口腔内の状況を考慮して調整するタイミングを決めているので、予約日から大きくずれない日程で通院するのが好ましいです。

再予約を取るタイミングがわからない場合は、矯正歯科へ電話で相談することをおすすめします。

一度の通院にかかる治療の時間はどれくらい？

1度の通院でかかる時間目安は30分〜１時間です。

移動時間も含めると、それなりの通院でかかることになります。

負担を減らし、通い続けるために治療方法や矯正歯科選びは重要です。

通院頻度の低い治療方法を選ぶだけでなく、通院しやすい立地条件、開業時間などを考慮して矯正歯科を選びましょう。

引っ越して通院することが難しい場合はどうすれば良い？

矯正歯科治療は長期にわたるので、治療開始後にさまざまな理由で引っ越しをする可能性も考えられます。

引っ越して通院するのが難しい場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。

歯科医師は必要に応じて、信頼できる矯正歯科を紹介してくれるでしょう。

また、紹介状を書いたり、これまでの資料を送信したりして、治療の続きを引き継げるように手続きを行います。

通院頻度を守って治療をスムーズに進めよう

歯科矯正治療中は、予約日を守って通院することが大切です。

通院日には、矯正治療の進み具合をチェックし、微調整を行ったり矯正器具や口腔内にトラブルがないか確認したりします。

これらの過程は、矯正治療をスムーズに進めるためには欠かせません。

通院するのには、治療や移動時間などにかなりの時間がかかるため、立地条件や開業時間も考慮して、ストレスがかからない矯正歯科を選ぶのも大切です。

また、治療の種類によって通院頻度が異なるため、それぞれの治療法の違いを考慮して決めましょう。

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